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【丸の内キャリア塾 女性の健康週間特別セミナー
女性が知っておきたいからだのリズム アラフォー・アラフィフ健康プラン】

というセミナーに行ってきました。

 
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今回は400名定員のところ、1200名ほどの応募があったそうで、会場はオトミラ世代(と勝手に名付けてますが…)の女性でいっぱい。
みなさん真剣な表情でメモを取っている姿が目立ちましたが、登壇された医師達が飽きさせないように仕込んでいる軽妙なトークに笑いも起きつつ、あっという間の2時間が過ぎていきました。

概要 4つの興味深いテーマ

今回は4人の医師が講師として登壇。内容は以下のとおりでした。
 
〈大豆とエクオール〉
元気でキレイな女性になるためには〜大豆パワーの源 エクオール〜
 
〈更年期障害・HRT〉
本当に知りたい更年期障害のこと〜HRTを選ぶ基準、選ばない基準〜
 
〈尿失禁〉
快適なデリケートゾーンのために
 
〈婦人科がん〉
こんな時は要注意、婦人科がんの必修知識
 
以下、それぞれのテーマについて受けた説明や、自分なりに感じたことなどを備忘録を兼ねてまとめてみます。
今回はエクオールとHRTについてです。
 

長寿になって老年期が長くなっている
30年以上女性ホルモンが欠乏した状態は辛くないか

テーマ=〈元気でキレイな女性になるために~大豆パワーの源 エクオール~〉講師=髙松潔氏 (東京歯科大学市川総合病院産婦人科教授)

エクオールという大豆に含まれる成分が更年期障害の症状を軽減してくれる…そんな情報はテレビや雑誌、病院等で目にしたことがありました。

まずはそのエクオールのについての説明から。

大豆は女性ホルモンのエストロゲンによく似たはたらきの成分を含むため、エストロゲンが減少してくる更年期の女性には効果が期待できる食品だと言われている。

大豆に含まれるイソフラボンが、おなかの中で腸内細菌と出会ってエクオールになるのだが、エクオールをつくれる人(エクオール産生者)は日本人の約50%ほど。
そのため、エクオール含有するサプリメントが開発された。
かなりかいつまみましたが、このような経緯が説明されました。
 
そうなると、「わたしはエクオールをつくれるの?」という疑問が湧きますが、尿検査でエクオールをつくれるかどうか(エクオール産生能)を知ることができる簡易キットもあるそうです。(インターネットで購入可)
 
エクオールを作る能力があっても、少ししか作れない方もいるというお話しもされていました。
 
このエクオールの期待できる効果としては以下のとおり。
 
  • 更年期障害の諸症状をやわらげる
  • 脂質異常症(などのリスクを軽減できる)
  • 動脈硬化(などのリスクを軽減できる)
  • 肌への作用(などのリスクを軽減できる)
  • 骨粗鬆症予防と改善
 
本当に効果があるなら使ってみたい…と思わせるサプリメント。
でも、本当に効果があるの? つい、疑いたくなってしまいました。
 
さて、この説明をされた髙松 潔 医師は、「基本的にサプリメントは好きではない」が、エクオールを含有する「エクエル」という大塚製薬さんの商品はお勧めできる」とのことです。
「エビデンス(医学では、臨床結果などの科学的根拠など)があるから」と話されていました。
 

個人的には以前ほど更年期の症状がひどくないので、今後必要性を感じたら自分でも購入して試してみようかな…と感じました。
(ただ、骨粗鬆症予防が本当なら飲んでおくべき? と心が揺れましたが…)

ネット上のクチコミは総じて評判が良いようですが、「効果があった」「高い割には効かなかった」「周囲に飲んでいる人が多いが100%の人に効くわけではなさそう」「錠剤が大きくて飲みにくい」という声もありました。
気になる方は詳しく調べてみてください。

 【大塚製薬】エクエル【栄養機能食品】
112粒(1日4粒目安・28日分)/販売価格4,320円 (税込)
※ S-エクオール 2.5mg/1粒当たり(1日4粒を目安に摂取)
 
 

なお、髙松 潔 医師が前段で話されていましたが、
「日本人が長寿になっても若年期が延びるわけではなく、老年期が長くなっている。50歳で閉経を迎え、30年以上女性ホルモンが欠乏した状態で生きるのは大変だ」
というお話しには考えさせられました。

次に取り上げるHRTを含め、メリットとデメリットを知って、自分にとって最良の女性ホルモンとの付き合い方を検討しようと思いました。

 

更年期障害は辛いけど…HRTってどうなの?

 HRT、ホルモン補充療法については詳しい知識を持っていません。
周囲には「治療を受けていて辛い症状が改善されている」という知人も居るし、「不自然だから」と言って頑なに拒否している方もいます。
「副作用が怖い」という声もあれば、「辛い症状が軽減するなら、先のリスクはどうでもいい」という言葉も聞いたことがあります。
 
個人的には「使わなくて良いものなら使いたくないかなぁ」というスタンスでした。
医師が書いたネガティブな記事を目にしたこともありますし…。
 
このセミナーでは医師がどのような説明をするのか興味がありました。
 

副作用が不安なら短期間試してみたらどうでしょう? いつでも止められるし、短期間で がん になることはない

テーマ=本当に知りたい更年期障害のこと~HRTを選ぶ基準、選ばない基準~
講師=岡野浩哉氏 (飯田橋レディースクリニック院長)

以下、岡野医師が説明された内容です。

「更年期障害の本態は適応障害」=女性ホルモンが欠乏した状態に体と心が適応できていない。
環境の変化(加齢、心理的社会的な若さや女性性の喪失、子どもの巣立ち、夫のとの距離感など)からくるストレス。
 
1990年頃、「全ての女性にHRTを!」という動きがあり、期待値が高まりすぎ、実際の効果とHRTの真実との間に乖離が起きた。
 その後研究が進み、HRTの副作用が多目な薬については現在使われていない。
 

仕事や生活を充実させるためにHRTを上手に取り入れれば、下がってしまったパフォーマンスを回復し、正当な評価も取り戻し、居場所を取り戻せるかもしれない。
一方で、HRTを使って良い状態になっても、また疲れてくる方も居る。それは頑張りすぎてオーバーワークのケースが多い。
手を抜く、余力を残すようにしてほしい。本当に自分の大切なこと何か? 何に一番時間を割きたいか?優先順位をつけることも必要。

「HRTはいつまで?止められる?」という質問をよく受ける。メリットを理解し、リスクに注意しつつ、定期検診をしっかり受けながら、その人に合った期間使うとよい。また、止めたいときに止めるのは全く問題無いので相談して欲しい。

長期間のHRTではリスクが若干高まる場合もあるが、大腸がんは減る、心疾患は問題ないという最新の研究結果が出ている。

持病や体質、解決したい症状なども様々であり、HRTを提案はするが、治療するかしないかは本人が選択すること。

不安があるならば短期間試してみてから、副作用が出ないか、どんなメリットがあるかを観察して、継続するかどうかを決めることも良いと思う。

医療は原発のように「良い事ばかりを言う」ものとは違い、「受ける人の安心第一」というスタンス。

自然に反すると避ける人も居るが、すでに人類は自然な状態ではない。他の動物が食べて一番危険なのは人間だとも言われている。

この後の人生をどう生きるのか、自分で決めないともったいない。

ご自身は「若い頃にはバックパッカー的な旅もしたが、現在は飛行機には乗らない。自分にとってはリスクを大きく感じるので」と話されていたのが印象的でした。

お話しを聞いていて、私自身もHRTについて副作用の懸念と「不自然なのでは」という抵抗感を持っていたことを再確認しましたが、現在辛い症状を抱えていて、それが軽減してかつての自分らしく生きたいという思いと、個人の持病や体質によるリスクをどう天秤にかけるのかが選択する上でのポイントだと再認識しました。

 

もちろん、ネットでの情報や知人が効果があったから、という安易な判断ではなく、医師による診察と十分な説明を受けること。
リスクに目をつぶるのではなくしっかり認識したうえで、定期検診はきちんと受ける、問題があればすぐに医師に相談するというスタンスを忘れないようにしようと思いました。

自分に合った婦人科の医師に出会って(居住地域などによって難しい場合も多々ありますが)、女性ホルモンの減少と上手に付き合っていきたいと思います。

 後編はコチラ

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