(画像はイメージです。本文とは無関係です)
口臭は病気のサインなの?
お正月の帰省後に同年代の仲間が集まると
「帰省したら親がすっかり老け込んでいてショックだった」
という話題が出ることがありませんか?
同居していたり、近所に住んでいる場合は別でしょうが、年に数回しか会わない場合、その変化の大きさに驚くこともあるでしょう。
見た目や動作、記憶力の低下、家の中の乱雑さや、ゴミや埃がたまっているなど。
変化の兆候は様々でしょうが、なかでも「親の口臭が気になった」という経験はありませんか?
以前、「口臭で病気を判断できる」という話を聞いたことを思い出し、少し調べてみました。
口臭の種類
口臭は生理的口臭と病的口臭に分けられるそうです。
■一般的な生理的口臭の原因として
加齢、起床時、空腹時、緊張時、疲労時
■ホルモンの変調などに起因する生理的口臭として
妊娠時、月経時、思春期、更年期 など
嗜好物、飲食物、薬物による生理的口臭として
ニンニクなどの臭いの強い食物、アルコール、薬物(活性型ビタミン剤)
■病的口臭として
口腔、耳鼻咽喉、全身疾患
が考えられるそう。
その原因として特に有名なのは以下のもの。
糖尿病(アセトン臭)、肝疾患(アミン臭)、 腎疾患(アンモニア臭)など。
上記の中でも高齢の親の場合に気になるのが病的口臭でしょう。
ただ、東京医科歯科大学歯学部附属病院 息さわやか外来 診療科長の川口陽子医師によると、
息さわやかですか?-口臭への対応-
監修 川口 陽子
東京医科歯科大学歯学部附属病院 息さわやか外来 診療科長
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科健康推進歯学分野 教授
口 臭の存在は、社会生活をしていくうえで一番重要な人間同志のコミュニケーションの妨げとなります。口臭があれば相手に不快感を与え、自分は恥ずかしい思い をします。口臭があることを心理的に負担に感じると、だんだん行動が消極的になり良好な人間関係を築くことができなくなってしまう場合もあります。離島で たった1人で生活しているのならば、口臭があっても病気として意識することはないでしょう。また、動物であるならば口臭について悩むことはないでしょう。 集団で社会生活を営んでいる人間だからこそ、口臭の存在が深刻な悩み、苦しみとなるのです。
私たちは、生きている限り無臭ということはな く、誰でも多少はにおいがあるものです。しかし、この生理的口臭の存在を非常に気にする人がいます。一方、お口の中が不潔で非常に強い口臭があるのに、自 分のにおいには全く無頓着な人もいます。口臭は心理的にデリケートな問題なので、親しい家族といえども口臭のあることを指摘するには気配りが必要です。
こ れまで、口臭の有無を的確に測定できる機器はなく、口臭の診断基準や治療方針はあいまいでした。しかし、口臭研究の進歩および新しい口臭測定機器の開発に よって、現在では、「口臭発生の90%以上は口腔内に原因があり、適切な処置を行うことで改善する」ことが明らかになってきています。
口臭の90%以上は口腔内に原因があるということなので、定期的な歯科検診を受けることも大切ですね。
たとえば内臓疾患での口臭の疑いがある場合、「親を口臭外来に連れて行きたい」と思ったとの切り出し方も慎重にした方が良さそうですね。
口臭を指摘されるのは心地いいものではなく、家族であっても非常にデリケートな問題でしょう。
心配な場合どこに連れて行けばよい?
では、どこで判断してもらえばよいかと調べたところ、「口臭外来」があることを知りました。
まず、「口臭外来」では何をしてくれるのでしょう?
■口腔内検査(歯周病や虫歯、舌の病気などがないかのチェック)
■レントゲン検査(噛み合わせや歯並びなど、口腔内の異常がないかをチェック)
■唾液検査(オーラルクロマなどの専用機器を使って、口腔ガスに含まれる口臭の有無の判定 )
■呼気を直接嗅いで医師が判定
■尿検査で全身の疾患について診査
このように身体のどこかに異常がないかを調べることで、口臭の原因を判定し、必要があれば専門の病院などを紹介してくれるそうですので、【口腔外来+地域】で検索してみましょう。
総合病院、耳鼻咽喉科、歯科などで診療を行っているようです。
診療費は保険適用がされるかどうか、どんな検査機器で何を調べられるのか、外来によっても様々なようですので、事前に確かめてから受診したほうが良さそうです。
将来おひとりさまの私自身も定期的に口臭検査を受けたい
親の口臭も気になるところですが、将来おひとりさまになる可能性がある私としては、60歳過ぎたら定期的に口臭外来に行ってみようと考えています。
自分では気づかないこともある口臭の変化を専門医にチェックしてもらうことで、体調の変化に早期に気づけるようにという狙いです。
おひとりさまの場合は、「口臭が強いけど体調悪くない?」と遠慮無く進言してくれる人が周囲にいない可能性が高いと思うからです。
それぞれの原因を判断してもらい、口臭を無くすことは健康な状態に戻す、あるいは健康を維持する切っ掛けになるはず。
また、病的な口臭ではない場合、生活習慣を見直すことが必要になります。
口腔内を清潔かつ健康に保つことは、しっかり噛むことで消化を良くする、内臓に負担をかけない、低栄養状態にしないということに繫がるというのが定説。
一方、口腔内を清潔に保てないと、口の中に残った食べかすや細菌が増えて肺に入ることが原因で「誤嚥性肺炎」になったり、認知症につながる場合もあるということなので、まずは口腔ケアをしっかりすることを意識していこうと思います。