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親の振り見て我が振り直せ!20代後半から衰える筋肉
高齢者の筋力や活動が低下している状態(虚弱)を「フレイル(Frailty)」と呼ぶそうです。
これは要介護状態に至る前段階と捉えられていて、健康寿命を延ばすためには注意が必要だと警鐘が鳴らされています。
加齢と共に筋肉量が減少し、ゆっくりしか歩けなくなったり、握力が弱ったりして、生活機能の低下や身体機能障害などが起こることは「歳を取ったから仕方がないね」、などと諦めを伴った愚痴で終わりがち。
ただ、「歩くのが大変、日常の家事もままならない…」ということが続くと、さらに筋肉量が低下し、骨量も減っていき骨粗鬆症が進行することもあるでしょうし、転倒や骨折の心配もあり、寝たきり状態へ移行するケースも考えられます。
そうなれば子ども世代の介護の負担も増え、場合によっては日頃の生活スタイルを大きく変えたり、退職を考える必要が出てしまうこともあるでしょう。
「親に寝たきりになってほしくない」とは誰もが思うことです。
さらに、
「自分自身も寝たきりにならずに健康寿命を延ばしたい。まあ、ずっと先のことだけれど…」
と考えるでしょう。
ただ、人は急に衰えたり老いるわけではなく、徐々に、日々、何もしなければ衰えていくものなのですね。
「サルコペニア肥満はメタボより怖い」というような記事を今年(2015年)はたくさん見かけました。
よく、「中年になると代謝が落ちるから痩せにくい」と言われますが、代謝が落ちる原因は何でしょう?
筋肉量は、通常20歳代前半が一番多く、そこからは徐々に筋肉量が減っていくといわれています。
意識的に運動をして筋肉量を増やそうとしない限り、筋肉量は減少して、代謝は落ちて痩せにくくなったり、疲れやすくなったりします。
インナーマッスルの衰えは姿勢の悪さにもつながり、自律神経に影響を与えることすらあります。
(すべて自分が体験したことで、もっと若い頃にしっかり考えておけばよかったと後悔しきりです。私の場合は変形性膝関節症にもなりました)
そんな中年期を経て長い時間をかけて、遠い将来に要支援、要介護になることが考えられるわけです。
若い頃の無茶なダイエットが与える怖い影響
日本人女性の痩せ願望と相まって、痩せすぎ女子を街中でよく見かけます。
私も若い頃に無茶なダイエットをしました。とにかく食べる量を減らし、空腹で動きたくないために、活動量も低下してしまう…。
辛い思いをしても、脂肪はなかなか落ちずに、筋肉だけが落ちていったように思います。さらに、リバウンドを繰り返すことで、痩せにくい体質を作るという、間違ったダイエットをしていた反省があります。
若い頃からバランスよく食べつつ、筋力を少しでもアップ出来るようにすることが充実した日々を送ることになりますし、女性ホルモンが減る更年期を乗り越え、元気な老齢期を迎える基礎を作ることになるのです。
って、若い頃はそんな風に先のことを考えられないものではありますが…。
「このままではどんどん老化する?どうしよう」と考えた時には遅いのでしょうか?
いえ、筋肉は使えば使うほど、鍛えれば鍛えるほど育ってくれる組織だそうです。(もちろん、年齢や体力、痛みの有無に応じて注意深く無理なくトレーニングすることが重要でしょう)
いつからでも筋肉量を増やす努力は遅いということはないようですから、気づいたときが始めどきと考えて挑戦を始めましょう。
更年期は現在の自分を知り、
将来の自分をデザインし直す機会
4、50代で認知症やサルコペニアについて情報を得る人の大半は親の衰えや介護が切っ掛けの場合が多いかもしれませんが、実は自分自身が将来寝たきりにならないための準備を始めるチャンスかも知れません。
「サルコペニア肥満」という言葉も出てきました。
「サルコペニア肥満はメタボよりも怖い」と言われる理由として、
女性の高血圧リスク→2.3倍
糖尿病になるリスク→19倍
と、生活習慣病になるリスクが高まることも注目されています。
また、最近、サルコペニアは肉体的な問題だけでなく、認知症や癌にも関係しているといわれているそう。
認知症を早期予防するためにも、サルコペニアの予防・改善をこころがけることが大切で、具体的には、効率良く筋たんぱくを作れるよう、良質なたんぱく質の摂取と運動の併用が効果的だといわれています。
認知機能を高めるためには、運動することで骨格筋を刺激し、海馬の細胞を活性化させることが大切だと考えられていますので、「最近物忘れが激しい」「判断力が落ちている」という方は、脳トレや食事に気をつけつつ、筋肉量を増やすための運動も加えることを考えてみませんか?
50歳前後で更年期を迎える女性は特に、体力や筋力を低下させない取り組みが重要になってきます。女性ホルモンの減少で骨量も減っていくため、筋肉でサポートすることが重要だからです。
女性は親の衰えと、自身の更年期症状をきっかけに、自分自身の身体と向き合い、健やかな高齢期に繋げていける土台作りも意識していきたいですね。