シルバー人材センター:掃除、買い物…高齢者の家事お任せ
団地内でごみ出しをするシルバー人材センターの女性スタッフ=福岡市早良区で、須賀川理撮影
高齢化社会で介護する側もされる側も高齢者の「老老介護」が現実化する中、家事援助などを地域のシルバー人材センターが引き受けるケースが増えている。介護保険に基づく要介護や要支援に認定されていなくても依頼できる点がメリットだ。遠方で暮らす子供に代わり、安否を確認する「遠距離介護」の役割も担っており、今後も需要増が予想される。【まとめ・松本光央】
シルバー人材センターは、定年退職者など60歳以上の会員が働くことを通して生きがいを得るために活動する公益社団法人。全国シルバー人材センター事業協会によると、原則として市区町村単位に設置され、現在全国に約1300ある。ビルや駐車場の管理、農作業や清掃活動などセンターごとにさまざまな仕事を受けている。
福岡市のシルバー人材センターは昨年7月、65歳以上の高齢者世帯を対象にした支援事業「ワンコインお助け隊」を始めた。高齢者宅を訪問し、ごみ出しや布団干し、トイレ、風呂の掃除など介護保険制度でホームヘルパーも提供するようなサービスを実施する。福岡市の団地では上階に住む高齢者のごみ出しを女性スタッフが手助けするなど、きめ細かく対応している。15分程度なら100円、30分〜1時間程度なら500円で引き受ける。
事業開始から4月末までの10カ月間で利用件数は1658件。ごみ出しが最も多く、植木の 水やりや買い物も多いという。東京在住の利用者の子供からは「ヘルパーが自宅のごみを大きなバケツにまとめてくれるが、ごみ収集のタイミングで外に運び出 す時に頼める先がなかった。すごく助かった」と感謝が寄せられた。同様の事業は熊本県八代市や鹿児島県霧島市のセンターでも実施している。
遠方に暮らす子供の要望を見据えたサービスも出始めた。
宮崎県小林市のシルバー人材センターは4月から短時間の支援事業を始めた。2時間以内500〜1500 円で花壇の手入れや郵便局などへの用事も引き受け、遠隔地に住む子供からの依頼があると見込んで安否確認もメニューに入れた。同センターの窪田明雄理事長 は「親が心配だという声はある。東京など都会に暮らす小林出身者にPRしていきたい」と話した。
現在、これからも、遠距離介護される方へ
この記事で注目したのは、
【家事援助などを地域のシルバー人材センターが引き受けるケースが増えていて、
要介護や要支援に認定されていなくても依頼できる】
【遠方で暮らす子供に代わり、安否を確認する「遠距離介護」の役割も担っている】
この二点です。
私自身も遠方にいる父宅の掃除や溜まったゴミ出し、庭の手入れ…。
時間を作って出かけていっても、なかなか全てに手が回らない。
日々のことは手伝ってやれない。
要介護認定を受けられるようになってからはヘルパーさんにお世話になりましたが、
それ以前は女性一人の力では難しい作業など、可能なときに夫に来て貰ったり、
便利屋さんにお願いしたり。
シルバー人材センターに問合せをしてみれば良かったと思いました。
また、安否確認は親が高齢になってくれば誰しも気になることです。
身近で安否確認を細かくして下されば安心ですよね。
この記事の例は宮崎県小林市など、一部の地域のようですが、
もし遠距離介護中の方、親が遠くに居て老化が心配な方。
親御さんの地元のシルバー人材センターにどんなサービスがあるのか、調べてみるといいかもしれません。
高齢になっても自分の力を社会に還元したい
内閣府の 【高齢社会白書 平成25年版】から、団塊の世代の就労についての調査。
何歳まで働きたいか就労希望年齢をみると、「働けるうちはいつまでも」が最も多く25.1%であり、次いで「70 歳まで」が21.3%となっており、65歳以降も働くことを希望する割合は50%を超えている。しかし一方で、「働きたいとは思わない」が20.6%、 「65歳まで」が16.1%、「今すぐにでも辞めたい」が1.8%と、65歳までで退職したいと希望する人が38.5%となっている。
現在仕事をしている人に限ってみてみると、「働けるうちはいつまでも」が33.5%、「70歳まで」が29.3%、「75歳まで」が5.3%となっており、65歳以降も働くことを希望する割合は69.1%と高くなっている.
(後略)
やはり、できるだけ長く働きたいという方は結構いらっしゃるんですね。
また、
団塊の世代(昭和22〜24年出生)の男女で、60歳時も平成24年時点でも就労している男女への調査で、
働いている理由を見てみると、
「生活費を得るため」(73.0%)→ 55.4%
「生活費の不足を補うため」(21.3%)→32.6%
「健康維持のため」(12.3%)→32.3%
「将来に備えて蓄えを増やすため」(43.0%)→29.6%
※ ( )内の数字が60歳時のもの、→の右が平成24年調査時のもの
という結果も載っていて、経済的な問題と健康維持などの問題が上位にきているようですが、
下位を見てみると、
生きがいがほしい(14.4%)→22.5%
友達が欲しい(1.4%)→2.1%
働いて社会に貢献したい(12.1%)→11.7%
経験・能力・知識を活かしたい(14.1%)→16.8%
という精神面の理由も見受けられます。
高齢者の中でも健康や体力、家族構成などの個人差は大きいと思いますが、
核家族が多い現状を考えると、社会と繋がっていたい、自身の存在意義を確認したいという
方にはシルバー人材センターに登録するというのも一つの選択肢かも知れません。
親の介護を通して、自身が高齢者になった時のことを想像し、準備をしていくことも
親から与えられる宝と言えるでしょう。
自分だけではなく、社会全体も、アカルイミライにしていけますように