(画像はイメージです。本文とは無関係です)

 

元気な状態と要介護状態の狭間にいる高齢者「ギャップシニア」向けサービス創出を目指すコンソーシアム設立について

株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 藤井順輔、以下「日本総研」)は、元気な状態と要介護状態の狭間にいる高齢者である「ギャップシニア」向けのサービスの創出を目的に、「ギャップシニア・コンソーシアム」を2014年10月に設立します。

本コンソーシアムは、病気や体力の低下などによって生活上の困りごとが出てきたりやりたいことが出来なくなったりする「ギャップシニア」の生活を多面的に支えるサービスを提供するための、民間事業者と自治体の協働によるプラットフォームの構築を目指す組織です。現在、高齢者の生活を支えるサービスを提供する民間事業者として、株式会社インターネットインフィニティー、株式会社エス・エム・エス、京浜急行電鉄株式会社、生活協同組合コープこうべ、株式会社ダスキン、株式会社日本公文教育研究会 くもん学習療法センター、ハウス食品グループ本社株式会社(五十音順)、介護・医療サービスを提供している社会福祉法人の参画を予定しています。また、サービスの普及によって高齢者が暮らしやすい地域づくりを目指す複数の自治体の参画も予定しています。

本コンソーシアムでは、2015年度からのサービス提供を目標に、全国3カ所程度(関東地域、東海地域、関西地域等から各1カ所程度を予定)において、ギャップシニアのニーズやサービスアイデアに関する調査を実施し、2015年3月末までにプラットフォーム準備組織を立ち上げる予定です。

 

ギャップシニアが要介護状態になりにくくなるサービス等の創出を目指します

高齢者は、病気や体力の低下等によって「出来ること」が減り、「やりたいこと」との間に隔たりが生じると、我慢や諦めによって「やりたいこと」を自ら抑えるようになる傾向が多く見られます。そのようにして自ら抑制することが続くとさらに「出来ること」が減り、最終的に要介護状態に陥ることが少なくありません。
要介護状態となるおそれの大きい、このような高齢者(介護保険制度における「二次予防事業の対象者」および要支援1〜2の認定を受けた高齢者に相当)は急増しており、2025年には全高齢者の約4割、推計1,000万人を超えると見られます。
本コンソーシアムでは、これらの高齢者を「ギャップシニア」と定義し、ギャップシニアが家庭や地域、社会で役割や居場所を保ちながら、質の高い生活を送り続けられるよう、心身機能の改善や生活環境の調整、生活上の困りごとの解消を促すサービスの創出を図ります。
こうしたサービスを早期に利用し始めることで意欲的で自立した生活をしやすくなり、地域や社会での活躍を続けながら、要介護状態への進行を遅らせることが期待できます。また状態が悪化したとしても、状態に応じて適切なサービスを利用し続けることで、自分らしい質の高い生活を続けやすくなります。このようにして、要介護状態にならない、あるいは要介護状態になっても改善・維持できる高齢者が増えれば、将来的に介護給付の効率化が図られます。

民間事業者と自治体の協働による、サービス提供をコーディネートする仕組みを構築

これまでギャップシニア向けの支援は、主に介護保険制度におけるサービスとして提供されてきました。ただし、財政的な制約もあって介護保険制度による支援だけでは、人数が急増するギャップシニアの多様なニーズの全てに対応するのは限界があることから、民間事業者による介護保険制度によらないサービスの拡充が期待されています。
しかし、ニーズが非常に高まることが予測されているにもかかわらず、民間事業者によるサービスの拡充はなかなか進んでいないのが現状です。その主な要因として、ギャップシニアの心身の状態やライフスタイルがあまりにも多様であるため、個々の事業者ではニーズを捉え切れないことが挙げられます。また、ギャップシニアは状態が悪化すると、人との交流や、店舗・メディアとの接点が少なくなり、サービスに関する情報を伝えにくいことも課題です。
そこで本コンソーシアムでは、地域包括支援センターや介護事業者だけでなく、生活サービス事業者、小売業、鉄道などがギャップシニアとの接点となって、様々なサービスをギャップシニアに結び付けるコーディネートの仕組みを構築します。具体的には、自治体と民間事業者の協働によるプラットフォームを地域別に設置してニーズやサービス利用実績に関する情報を共有し、ニーズ分析やサービスの開発・提供・評価、ギャップシニアへの情報提供などの調整を行う計画です。
このプラットフォームを基に、自治体が専門職等を活用して地域におけるギャップシニアの生活の基礎的な部分全体を支えながら、民間事業者はそれぞれのギャップシニアの「やりたいこと」やライフスタイルに対応したきめ細やかなサービス提供を行うことでクオリティ・オブ・ライフを高め、ギャップシニア自身の生活および介護予防に対する意欲を引き出しやすくなることが期待できます。

(後略)

引用元: 元気な状態と要介護状態の狭間にいる高齢者「ギャップシニア」向けサービス創出を目指すコンソーシアム設立について.

 

「ギャップシニア」向け支援サービスの創出を目指して

 

気や体力の低下などによって生活上の困りごとが出てきたりやりたいことが出来なくなったりする「ギャップシニア」という概念があるんですね。

高齢者は、病気や体力の低下等によって「出来ること」が減り、「やりたいこと」との間に隔たりが生じる

我慢や諦めによって「やりたいこと」を自ら抑えるようになる傾向になる

自ら抑制することが続くとさらに「出来ること」が減り、最終的に要介護状態に陥る

このような悪循環に陥らないように、家庭や地域、社会で役割や居場所を保ちながら、質の高い生活を送り続けられるよう、心身機能の改善や生活環境の調整、生活上の困りごとの解消を促すサービスの創出を官民一体で目指す組織が2014年10月に設立されるということです。

 

介護保険制度が改正されることとの関係性

公的な介護保険制度のなかでは「要支援1」「要支援2」という区分があります。
「現在介護の必要は無いが、将来的に要介護状態になる可能性があると思われる人に対し、介護予防サービスを受けることによって要介護状態にさせない、あるいは遅らせよう」というものです。

「ギャップシニア」は要介護になる前のイメージでしょうか。
できるだけ介護を必要としない状態を維持、あるいは介護の手が必要になるのを遅らせる…。

とても重要な段階だと思います。

一方で介護保険制度が改正され、「要支援1」「要支援2」が予防給付から地域支援事業に変わることが決まりました。
国の事業から地方自治体の事業に移行され、要支援は介護保険給付の対象外となり、市町村の事業として支援を行うことになったのです。

しかし、地方自治体でサービスの内容やバラツキが出るだろうという予測もあり、地方自治体側も戸惑いを隠せないのが現状のようです。

そこに民間のビジネスチャンスを見いだそうというのが【「ギャップシニア」向けサービス創出を目指すコンソーシアム設立】という流れなのでしょう。

介護保険制度の今後も非常に気になるところですが、今後は個人の意識によってどんな老後を過ごすことになるかが大きく変わっていく気がします。

私個人も、高齢者が受け入れやすくて効果の高い、新しいサービスが創り出されることで、死ぬ間際まで健康寿命の期間を延ばせることを願っています。

計画には期待をしつつ、注目していきたいと思います。

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