(画像はイメージです。本文とは無関係です)

mri_illustration

10年以上経過観察してきた
子宮筋腫が大きくなってきた

10年くらい前から、年に一度は居住地の自治体で行っている健康診断を受けることにしています。

今年度は12月の末に産婦人科と内科を併設しているクリニックで検診を受けました。

 

結果を年明け早々に聞いたところ、内科的な検査結果に異常は見られなかったものの、婦人科では「子宮筋腫が大きくなっています」と医師に告げられました。

昨年の秋まで、「もう閉経も近いのか」と思えるような少量の出血しかなかったのですが、今年に入ってから「過多月経」と思われるような大量の出血が2日ほど続くようになり、その間は月経痛も激しく、これまで見られなかった強い腰痛や頭痛で熟睡できないようになりました。

 

その他、これまで検診で受けていた子宮頸がんよりも子宮体がんの検査が必要かも知れない、そう思うような症状もあり、検査の設備が整い、手術もしてくれる病院を改めて受診することにしました。

 

体がんの検査は痛いと聞いていましたが、担当の医師は非常に上手に検査をしてくださり、覚悟していたのが拍子抜けに感じられるほど軽い痛みですみました。

初診の超音波検査では「4〜5cmくらいの筋腫が一つと、それ以外にそこまでは大きくない4個の筋腫がある。大きな筋腫は膀胱の真裏にあるために、頻尿になりやすい」という診断でした。

 

「絶対に取った方がいいとは言えませんが、小さな筋腫だとも言えません。ご自身が筋腫によって生活の質を落としていると感じ、手術をして子宮を取った方がよいと考えるかどうかです」

という説明でした。

 

「手術の場合は子宮全摘です。年齢的に温存する必要性もないかと思いますので」

とも言われました。

 

子宮体がんの結果を待ちつつ、念のためMRIで子宮内を撮影しましょうということで、MRIの空きがある1ヶ月後に再度受診することに。

 

初めてのMRI体験メモ

「閉所恐怖症とかはありませんか?MRIはかなり狭い環境で20〜30分の長時間身動きできない状態になります」と初診の段階で説明を受けていました。

私は「今は大丈夫だと思いますが、満員電車で軽いパニック障害を経験したことがあるので…自信を持って大丈夫とは言えませんが…」と答えました。

「どうしても辛くなったら緊急を知らせるブザーを手に持っていてもらうので、辛くなったらそれを握ってください」

「それでしたら大丈夫だと思います」というやりとりを経て、発のMRI検査を受けることとなりました。

 

MRIという名称はよく耳にされるかと思います。強力な電波を使って、体内にある水分に作用して断層を撮影する方法です。
CTスキャンも受けたことがありますが、MRIとCTスキャンは撮影技術自体が異なります。

 

・長時間の撮影で閉塞感が大きいけれど、放射能被爆ゼロのMRI
・短時間で済むメリットはありつつ被爆するCTスキャン

という特徴があります。

 

検査当日、指定の時間に出向くと、若い検査技師が本人確認、トイレを済ませたかの確認をし、検査室で着替えの説明、その後問診票の記入へ。

 

「あー、動かないで、じっとしててください。画像がぶれますので」という声が聞こえます。私の前の患者さんは少し時間がかかっているようです。

 

そんな声を聞きながら問診票の記入を進めます。

 

中でも気になった質問は以下の4点

・脱着できる差し歯等は使えなくなる可能性がある
・身体に金属が入っていないか
・目に金属の粉が入るような仕事に従事していないか
・ヒートテックのような特殊な繊維が入った下着はつけていないか
・閉所恐怖症が無いか

 

閉所恐怖症の設問については医師に話したことを再度伝えた方が良いかと思いつつ、「閉所恐怖症というわけではないし…今の自分の状態なら大丈夫だろう」と少したかをくくってスルーしてしまいました。

 

うわっ、天井近い!呼吸が苦しい!!

準備を終えて検査室の中へ。

誘導されるままに従い、体を検査台に横たえます。

「動くと撮影時間が長くかかりますので、ジッとしてください。呼吸も浅めでお願いします。深呼吸はしないでください。では、息を吐いておなかを出来るだけへこませてください。ベルトで固定します」と言われ、かなりしっかり目に固定されました。

「音がうるさいので耳栓をします」と言って大きめのスポンジ素材の耳栓を両耳に装着されます。

 

足の方からドーム型の機械に入っていくと、顔が機械に入る瞬間「うわっ、天井近い!」と感じ、圧迫感が嫌で目を閉じました。

カンカンとかガーッとかいう音も確かに大きい。耳栓をしていてこれだけ聞こえるのだから耳栓無しだとそうとう耳障りでしょう。お世辞にも心地よいとは言えない環境ですが、検査ですからしかたありません。

 

検査技師の方とは会話できるようになっています。でも機械の音の方が大きく、若干難聴気味な私には遠く小さく聞こえます。

右手に握らされた緊急を知らせるブザー(というより、カメラレンズの埃を取るブロワーのような形状のもの)だけが頼りです。

 

最初は「大丈夫、楽しいことを考えよう」と狭さを意識しないことに成功していたのですが、お腹をへこませすぎてベルト固定をしたせいか、浅い呼吸を意識しすぎて胸式呼吸をたくさんしてしまったのか…「あれ、ダメかもしれない。何年も無かった嫌な感覚が蘇ってくる…うーん、これはまずいかも」と中に入ってから10分経たないくらいでギブアップしました。

 

ボタンを握りしめると「どうしました」という問いかけ。「ちょっと呼吸がつらいです。過呼吸気味になってしまって…」

いったん機械から外に出してもらい、呼吸を整えることにします。

「大丈夫ですか?」

「ちょっと、お腹のベルトを緩めてもらえますか?」

「わかりました。ただ、できるだけ動かないようにしてくださいね」

 

という会話をなんとかしましたが、か細い声しか出ないくらい、気分が悪くなっていました。

3分ほどでしょうか、脈拍が落ち着くのを待ちます。

 

「閉所恐怖症というほどでは無いと思います。すでに1枚画像が撮れているので、あと2枚、撮ってしまいませんか?せっかく予約が取れて来てくださったんだし」というやんわりとした説得。

「もう少ししっかり呼吸しても大丈夫ですか?浅い呼吸を意識しすぎたみたいで」

「ああ、いいですよ。言われたとおりにしないとって思ったんですか。真面目なんですね」

「そうなんですよ(笑)」

 

そう、不真面目な部分と真面目な部分が極端な性格なんです、ってそれは伝えませんでしたが…。

 

「1枚3分くらいで済みます。1枚撮っていったん出てもらって、さらに3分。いけますか?」

「…呼吸も落ち着いてきたし、大丈夫だと思います」

 

そんなやりとりの後、大きく深呼吸してから再度機械の中に吸い込まれていきました。

今度は普通の呼吸を心がけて。

「大丈夫そうですか?」と声がかけられます。

「はい」

「さらに一枚撮れました。もう一枚、あと5分くらいです。このままいけそうですか?このまま大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です」

呼吸も普通に出来ていますし、一気にいけそうです。

 

「はい、お疲れ様でした」という声と共に機械から出て自由の身になったときには心底ホッとしました。

 

「もし頭部のMRIを撮る場合は頭から入りますし、顔を固定するために覆う器具をつけます。もっと窮屈だと思うので、その場合はデパスという薬を飲んでから検査を受けた方がいいですよ」とアドバイスをいただきました。

デパスか…抗不安薬ですね。

 

10年以上前のことですが、満員電車で四方を体格のいい男性に囲まれて、電車の遅延のせいでさらに混み合ってくる状況で前後から強く押されたために、呼吸が苦しくなるという経験をしたのです。それ以来、1年くらいは通勤電車に乗れなくなってしまいました。

 

少し混み合うだけで「嫌だ、もっと混んだら呼吸が出来なくなる」という強い不安に駆られて心拍数が上がり、胸がドキドキするのです

(今も混み合った電車には極力乗りたくありませんが、パニック発作は起きなくなっていました。意外なところで過去のいじめっ子に再会した気分でした)

 

 

このように、私のMRIデビューはちょっと心身ともにキツいものになってしまいましたが、私の身の回りの方に聞いたところ、特に問題なく検査を受けられている方が圧倒的に多いですし、狭くて嫌だな程度の感覚のようです。

 

検査結果と今後の説明

撮れた画像を担当医に見せてもらい、子宮の中に鎮座する大きめの筋腫と対面できました。感想は「結構立派だな、子宮の結構な部分を占めているんだな」ということ。「聞いていたとおり膀胱を圧迫する位置にあるな」ということです。

 

 人によってはMRI検査はハードルの高いものですが、自分の内臓の様子がはっきり見て取れることは大きな意味があるものだと改めて思いましたし、ある程度の年齢になったら定期的なチェックは必要だと感じました。

 

ここ一年ほど新しい仕事をして生活のスタイルが乱れており、それがホルモンバランスを崩すことに繋がっていたかも知れないこと、自分の体力に見合わない仕事をして、疲労が溜まりやすくなっていたことを反省し、まずは生活を変えることにしました。無理は禁物。

 

その上で三ヶ月くらい様子を見て、筋腫の状態の変化、痛みや貧血などの耐えられない状況がないかということを検討して、偽閉経薬の投与、それで閉経に持ち込めなかったら手術という流れにすることでこの日の診察を終えました。

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