(画像はイメージです。本文とは無関係です)

場合によっては寝たきりになるため、特に高齢者では注意が必要

「生活不活発病」は、日常生活の中で体を動かさない状態が続き、心身の機能が低下していくことを指すそうです。
入院などがきっかけになることが多く、災害時の避難生活などでも多発するとのこと。先月発生した熊本・大分などでの地震災害で、今なお避難生活を続けている方たちへの影響が気に掛かるところです。

 

安静状態を長く続けると、筋力の低下や、関節などの機能低下だけでなく、心肺や自律神経、精神・知能にも低下がみられるそうです。

また、いったん生活不活発病になると悪循環に陥りやすく、回復までには相当の時間が必要になるため、予防法が認識されることが大切だと言われています。

では、災害発生時に「生活不活発病」の発生が多い要因を見てみます。

「 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター」のサイトを見ると、本人は動きたいと思っていても、その気持ちとは裏腹に「じっとしているほうがよい」という判断が働くケースがあるとのことです。

 生活が不活発になるには、ご本人の意志の問題ではなく、動きたいのに動けない理由が、たくさんあることに注意が必要です。本人のせいではなく、様々なことが影響しているのです。(表4)(PDF版)(HTML版)
動けない・動かない理由の1つには、環境の変化があります。周囲の道が危なくて歩けなかったり、避難所で通路が確保されていないため歩きにくい、またつか まるものがないので立ち上がりにくい、椅子が少ないので日中つい横になってしまう、などがあります。
また、することがないので動かないことは、大きな理由です。それまで毎日行っていた仕事や家事や趣味や外出ができなくなったり、地域でのお付き合いや行事 がなくなることがあります。まわりの人がやってあげることがよいことだと思って、実は、御本人のやりたいことまでやってあげることもあるので、気をつける 必要があります。
また遠慮も重要な原因です。例えば「災害時に散歩やスポーツをするなんて」と周りの人に思われるのではないかと、ひかえてしまうことはよくみられます。

引用元: 災害時の高齢者・障害のある方への支援.

 
 ●危険な道、避難所での通路が確保されていない

 ●つかまるものがないため立ち上がりにくい

 ●椅子が少ないために日中もつい横になってしまう

 ●することがない

 ●日頃行ってい場所に行けない、日頃の交流が途絶える

 ●本人がやりたいこと、できることを親切心から取り上げてしまう

これらは避難所だけではなく、高齢の親に対しての子どもや孫世代の対応のヒントでもあると思います。座りやすく立ち上がりやすい椅子や、つかまり歩きをしやすい手すりの設置などで足腰の弱った方をサポート出来る環境作りをする。
また、危ないからと言って行動を制限したりしない工夫をする。出来ることは時間が掛かってもご本人にしてもらい、それを辛抱強く見守る努力も必要。

70〜80歳代の親に、ついつい手を出してしまうせっかちな私自身も、これを機に忍耐強い接し方を意識しようと思います。

 

生活不活発病は、まだ40代だから関係ないとはいえない

さて、「生活不活発病」は医学用語で「廃用症候群」といい、高齢者や持病がある人に起こりやすいといわれていますが、この用語が気になった原因として、私自身の経験がありました。
40代半ばにして、「これはまずい。70代の母親より体力がない!?」という状況に陥ってしまったのです。今思うと更年期障害だったのかもしれませんが、とにかく日常性活に支障のあるレベルで体調不良が続きました。

具体的な症状としては、貧血、めまい、不眠、慢性の疲労感、軽いうつ症状などがあり、家事を15分くらいしたらソファに横たわらないと次の事が出来ず、何に対しても全く意欲が湧かない、という状態。

そんな生活を半年ほど続け、「このままではダメ。なんとか年齢なりの元気を取り戻したい」と考えたころにはすっかり体力も筋力も衰えていて、途方に暮れました。

(関連記事を過去に書いていますので良かったらご覧ください)
    ↓
 http://otomira.net/ohitorisama/2384/

失意や不安を押しのけるには努力あるのみ!
という意気込みで、徐々に体力をつけることを目指し、以下のことを始めたのです。

 

●貧血改善の努力
 余り食べていなかった肉類を食事のなかで増やし、鉄分のサプリも摂取

●姿勢の改善
 前屈み気味になっている姿勢を矯正するために、体幹を鍛えた。体幹を意識して立つようにし、家事も連続して出来るようにしていった。

●興味の持てることを見つけ、外出機会を徐々に増やした

●体力をつける
 ゆっくりした20分くらいの散歩から始め、テンポの良いウォーキングを1時間出来るように徐々に運動量を増やした

これらの努力を地道に続け、一年ほど経った頃には年齢なりの体力が戻ってきたように思います。
難しい事はしていません。ただ、続けることが難しかったのですが、体重や体脂肪率、血圧などのデータを記録していくことがモチベーションとなりました。

加齢によって落ちていく筋力や体力に抗うには、無理のない日々の努力を少しずつ積み重ねるしか道はないのかも知れませんが、一度失った健康を取り戻すのは容易ではありません。

「生活不活発病」がどんなものであり、どんな人や状況にリスクがあるのかを知り、「生活不活発病」にならないように予防することが、中高年のみなさんや親世代の健康を守るために必要だと思います。

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