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【丸の内キャリア塾 女性の健康週間特別セミナー
女性が知っておきたいからだのリズム アラフォー・アラフィフ健康プラン】
に参加し、講師のお話を聞いてきました。

前編に引き続き、〈尿失禁〉〈婦人科がん〉について、印象に残った内容や感想などを書いていきます。

※概要と、〈大豆とエクオール〉〈更年期障害・HRT〉については前編をごらんください。
前編はコチラ

人に相談しにくい尿失禁

テーマ=快適なデリケートゾーンのために
講 師=中田真木氏(三井記念病院産婦人科/骨盤底婦人科医長)

 アラフォーの出産が増えていて、出産後の不調も増加傾向。
 
様々な不調を相談されるが、患者さんが納得出来ていないケースもあり、結局はデリケートゾーンが快適になることが大事だと考えた。
 
デリケートゾーンの快適性を保つには、
密閉、膣炎、膣症、刺激、掻く、洗う、尿漏れ、膣内排尿、皮膚や粘膜の萎縮に注意が必要。
 
歴史を見るとスカート丈の長さが変化し、デリケートゾーンを密閉するようになってからトラブルが増えているのではないかと考える。
 
フランス人は就寝時に下着を着けない人が多い(自分は落ち着かないのでゆったりした下着を着用している)
 
分泌や臭いが気になる人は40代から増える。
 
温水便座が普及し(医療用具ではない)、洗いすぎの可能性がある。安全な使い方をしてほしい。
 
検査しても尿失禁ではないが、本人は漏れていると感じているケースで、膣内排尿(デリケートゾーンに尿が少量残ってしまう)があるが、医者にとっては医学的関心事ではないため、余り知られていない。
対策として、足をしっかり開きいて排尿する、陰唇を手指で広げてみる、などがある。和式の方が良い姿勢なのでお勧め。
 
高齢期に大変なのが、硬化性萎縮性苔癬( こうかせいいしゅくせいたいせん )という疾患。
デリケートゾーンに痒みや灼熱感を感じ、長期間辛い思いをすることになる。難病指定されているが、外来では結構診ることがある。
 
自覚的な違和感がある場合、以下のことに気をつける。
デリケートゾーンの風通しを良くする。
洗う、掻く、を少なくする。
 
 個人的には中田医師のお話が一番新鮮でした。
知らなかった情報も多く、デリケートゾーンとの付き合い方を見直すきっかけになりました。
 
まずは排尿の仕方に注意し、就寝時の下着を通気性の良い、締め付けのないものにしてみました。
 
女性ホルモンの影響で皮膚の潤いが減ったり、皺ができたり、乾燥する…当たり前のことですが、デリケートゾーンも同じですよね。
年齢を重ねれば重ねるほど、優しく接していく必要があると感じました。
 
〈中田真木〉でネット検索すると、中田医師のインタビュー記事などが複数見つかり、興味深く読みました。
著書は、現在電子書籍で読めるようですので、こちらも読んでみようと思っています。
 

どう気づけばいい? 婦人科のがん

テーマ=こんな時は要注意、婦人科がんの必修知識
講師=宇津木久仁子氏(公益財団法人がん研有明病院婦人科副部長、
リンパ浮腫治療室室長)

子宮頸がんについて

子宮頸がんは初期で見つけることが大切。
 
原因と言われているHPVには ハイリスクなものが10種類ある。
 
性交経験のある女性の約8割は一生に一度はHPVに感染すると言われているが、持続感染(長期感続く人)の場合はがん化しやすく、治療が必要となる。
 
一般的に子宮頸がんのリスク要因として、「低年齢での性体験、性的パートナーが多い」ということがあるが、だからといって「子宮頸がん患者は、低年齢での性体験があり、性的パートナーが多い」というわけではない。差別的な見方は控えたい。
 
早期発見には定期的な検診が有効。

HPVワクチンには副作用もあるが、若い世代には受けて欲しい。メリットが大きい。何歳くらいまでワクチンを受けた方がよいかと聞かれるが、個人的な見解としては45歳くらいまで(それ以降は複数のパートナーとの性交渉は考えにくいとの判断のうえで)。

子宮体がんについて

  
一年間で約11,000人が発症して、約2000人が死亡する。
 
約8割はエストロゲンの長期的な刺激と関連していると考えられている。
 
リスク要因としては肥満・高血圧・糖尿病・妊娠出産歴が無い・月経不順などがあげられる。
 

卵巣がんについて

Ⅲ期での発見が多く、早期に見つけにくいがん。

ウエストが太ったかな? と思っていたら卵巣がんだったということも。
 
リスク要因としては出産歴が無い・動物性脂肪・ストレスがあげられる。
 
最近はさまざまな研究結果から、子宮内膜症からがんに移行することがあると考えられている。
 
不正出血・帯下・下腹痛・下腹部腫瘤がサインになる場合もある。
 
卵巣がんは見つけにくいが、何か自己診断できるものは無いか?と聞かれたので、これは、あくまでも無理矢理出したアイディアだが、仰向けに横たわった状態で身体をゆっくり左右に揺らす。卵巣の手前にある小腸がずれると、大きめの筋腫などは見つけられる可能性があるかもしれない。

自治体の健康診断では乳がん検診と子宮がん検診を受けられますが、子宮がんは「子宮頸がん」の検査です。

医師が必要とした場合以外で子宮体がんの検査を受けようと思ったら自費で検査を受けることになるのでしょうが、このセミナーで話題に上っていたのが、「マンモグラフィーの痛さは耐えられるけれど、子宮体がんの検査の痛さは耐えられない。もう受けたくない、という患者さんがいらっしゃいました」というお話し。

私個人はマンモグラフィー検査ですごく痛かったり、我慢できる程度の痛みだったり(検査してくれる人で違うの?検査する機械の違い?)しましたが、「子宮体がん」の検査もそういった違いはあるのでしょうか?
勿論、個人差もあるのでしょうが、受けるには勇気が必要なようですね。

(ちなみに、痛みを伴っても検査しなくてはいけない場合もあるでしょうから、その時は痛いから嫌だ…とは言っていられないですが)

 
がん検診は、受けられるものは しっかり受けることが重要だと思った一方で、初期に発見しにくいがんもあるんだという認識をしました。

まとめ

女性ホルモンの減少に見舞われる40〜50代をどう生きるのか、(人生思い通りにはなりませんが、老齢期のライフプランも見据えつつ…)このセミナーを通して、改めて考える良い機会になりました。

 

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追記:2013年6月14日には厚生労働省から子宮頸がんなどを予防するHPVワクチンに関して、
【定期接種としての位置づけはそのままだが、接種の“積極的な”呼びかけについては一時中止する】
という発表が出ていますので、念のため追記しておきます。
HPVワクチンの接種に関しては様々な意見があるようです。
私も幅広い情報収集をしていきたいと思います。

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